2021年11月26日

北杜市長

上村 英司 様

北杜市太陽光発電を考える市民ネットワーク

共同代表: 高橋正夫、田中正巳、内藤由治

中哲夫、野上悦郎、弘田由美子

帆足興次、堀内正人、牧野州哲

 

地上設置型太陽光発電設備設置規制強化に関する要望書

 

 

 2021101日に「山梨県太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例」(以下県条例)が施行され、長年懸案であった森林および災害危険区域が設置規制区域に指定され、設置には環境および景観への影響評価を始めとした厳格な許可基準が設けられました。

 

 しかし、一方で県条例の設置規制区域以外については、これまで通りの「北杜市太陽光発電設備設置と自然環境の調和に関する条例」(以下市条例)が適用されることになり、多くの住民が要望し続けている規制強化のための見直しが行われなかったことには失望の念を禁じ得ません。

住民の悲願であった市条例が施行されたものの、検討委員会が提言した条例骨子の許可基準を大きく低下させたものであり、元より条例第一条に謳われた目的を達成するには至らないという矛盾したものでした。従って、条例施行後も住民にとっては自然環境、景観、生活環境を著しく損なう設置が抑制されず、設置反対の声が上がり続けていることはご承知のことと思います。

 

今日の問題の原因としてFIT法や電気事業法の不備など国の責任があることは事実ですが、北杜市の貴重な自然・景観・生活環境を守るために適した設置規制は、北杜市が自ら行わない限り現状が改善されることはありません。

 

FIT法に基づく認定については、まだ北杜市内に682件(20kW以上20217月末時)乃至785件(10kW以上20216月末時)の事業計画があります。また、国は脱炭素社会の実現に向けて再エネ拡大が計画されており、今後さらなる太陽光発電設備の増加が予想されます。これ以上問題のある設置を増やさないために、早急な対策を講じる必要があります。

 

下記に記す事項を盛り込んだ市条例改正を今年度内に施行していただくよう、重ねてお願い申し上げます。

また、現在の問題の背景となっている諸問題についても、中長期的な課題として取り組んでいただきますようお願い申し上げます。

  

1.市条例改正要望事項 

 

  (1) 許可基準として敷地境界からの十分な離隔距離の確保すること。

・ 原則5m以上

            ・ 隣接住宅等建物がある場合10m以上

 

      目的:①消防、草刈り、点検、安全のためのスペース確保 (事業計画GL)

    ②北杜市の良好な生活環境、景観の維持

         ③移住、定住促進、観光振興にも資する。

 

  (2) 構造計算書を許可申請書類として提出することを事業者の義務とすること。

      目的:これまでほとんどの設備が技術基準に適合していない可能性が高いという現実を考慮し、太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(20214月施行)遵守を担保する。

      ※ 必要に応じて外部専門機関の利用も検討する。

 

  (3) 設置許可に有効期限を設けること。

      現状では、一度許可を受ければ永遠に有効になってしまう。許可通知後に一定期間を経過しても未着手および

                        工事を中断したままの場合には、失効または許可取り消しとする。

 

 

2. 中長期的な取り組み要望 ― 太陽光設置急拡大の温床となった原因の除去

  

 (1) 用途地域(ゾーニング)を設定し、住宅地や観光地等に太陽光発電設備、風力発電設備等の設置ができない地域を指定すること。 

 

 (2) 新規就農者支援、農業法人の誘致による耕作放棄地を減少させるための対策を行う。

  

(3)    森林の保全と維持のために、林業振興および観光への利用のための施策を行う。       

                                                     以上